旭

ちょと待って!?

旭

何でいきなり私を殺す方向性になってるの!?

……そんな馬鹿な。
何でこうなったの?
わからないよ、どうして私が死ぬの?

訳が分からないよ!!

むつみ

やれと言われたんだ
従うしかあるまい……

なつき

やりたくてやっている人間がいると思うか?

そうだけど……そうだけど!!
だからってなんで私なの!?
やっぱりだ。やっぱりこうなった。
この先、何となく結末が見えた。
私は……私が……!

ミカ

仕方ないでしょう……
こうしなきゃ、死ぬのよ!!

旭

だからって……どうして、私なの?

……私達は、囚われの身。
強いられたデスゲーム。
その中で、誰かを殺さないと自分が死ぬ。
私は、皆に選ばれた生贄羊。
有罪でも無罪でも変わりない。
私は、これから皆に殺される。
それが、人狼ゲーム。

五郎

理由は……ないのでありますっ!!
ですが、旭殿が嫌がるのも道理!!
それがサダメだというのであれば……

五郎

自分もッ!!

五郎

自分も共に死ぬのでありますッ!!

悠也

馬鹿かお前っ!?

五郎

うつけで結構!
自分は罪なき婦人を殺せんであります!

五郎

自分は見知らぬ婦人を殺すぐらいならば、己を殺すであります!

でも、私が死ぬのに変わりはないんだね。
仕方ない、けどさ……。
わかっちゃいるんだ。何処かで。
諦めはついている。気がする。
だって、選ばれたら最後、抵抗しようもないから。

旭

…………

五郎

旭殿、死ぬのが恐ろしいのはわかるであります
ですが……ここで皆と共に共倒れしては……

旭

分かってるよ……言っても無駄だよね
私は何もなくても、もう決定事項だし……

旭

分かった……もう、諦めるよ……
無駄だって、知ってる気がするから……

知ってる。
この光景、この瞬間。
何処かで、私は経験している。
覆らない数の暴力。
抗えない謗りの声。
私に、今回はそれが向いたんだね。
これは決定事項。もう、引っ繰り返ることはない。

なつき

おい……
彼女は本当に違うんじゃないのか?
諦めてしまったぞ……?

悠也

だとしても、もう結果は覆らないね
早く死ぬなら死んでよ、五月蝿いな

珊瑚

そういう言い方どうだと思うけど……
あんた、罪悪感ないわけ?
あたしらが殺したようなもんじゃん

菜々子

……ごめんなさい……金島さん

みんなに謝られた。
……いいよ。謝らなくても。
運がなかったんだ。私は、ここでオシマイ。
そういう顔をされると、諦められなくなっちゃう。

カンナ

…………
こういう……ゲームだから
今更、だよ……?

一ノ瀬さんが、私を見てそう言う。
こういうゲームだから? 今更?
それはどういう……?

旭

あぐっ!?

突然、私は背後から硬いもので頭を殴られた。
俯せに倒れてしまった。
激しく痛む頭を押さえて、見上げると……。

澪

すぐに楽にしてあげる
苦しまくてもいいから

澪

『次』に頑張ればいい
今は、ゆっくりと休んで
……お疲れ様

旭

うぁああああっ!?

優しげな言葉とは対象に、私に暴力を振るう周防さんの姿だった。
馬乗りになって、殴られる私。
痛いよ……。すごく痛い……。
抵抗できないように首を絞めながら殴る。
少しは暴れていても、慣れた様子で封じられて一方的にやられる。
挙句には刃物まで取り出して私を殺そうとしてくる。

澪

大丈夫、『次』は私も味方だから

旭

ぃたい……いたぃよぉ……

澪

本当にごめんなさい
銃でもあれば、楽に殺せたんだけど
手持ちがこれしかなくて……

澪

早めに決着を付けてそっちに戻る
わからないことばかりでしょう?
説明は後でするわ

澪

これも一つの展開なの
許してとは言わない
ただ、今は早く殺されて
抵抗すると、痛みが増すわ

澪

せめてもの優しさよ
わたしに出来る、せめてもの

澪

大丈夫
あなたのこと、忘れない
何があっても、絶対に

周防さんは小声でよくわからないことを言いながらまだ続ける。
痛みで次第に視界がゆがんできた……。
痛みも……鈍くなってきた。
あぁ、これで……死ぬのかな、私……。

澪

恨んでくれていいわ
ここでわたしはあなたを殺す
でも、殺すというのは生かす一種の表明
また後でね、金島さん

旭

うぅ……死にたく……ないょ……

澪

幾度となく訪れる結末の一つよ
慣れておいたほうが……身の為よ
じゃあ、お疲れ様