登場人物:
トキコⅢ・プロデューサー・他
登場人物:
トキコⅢ・プロデューサー・他



信じてくれ……
いや 信じなくてもいい ただ傍で聞いていてくれないか……





……といった発言から 『最重要プロトコル』に該当すると判断
近所の料理店に場所を移したのですが……





データ要約……完了
プロデューサーは『夢を見て悲しくなった』





すみません よくわかりません トキコⅢはロボットですから





最近流行りのAI? みたいな反応だ





我ながら幼稚な……
『電波』な話だとは思うんだ





トキコⅢは悲しい夢を見ないのか?





理解不能
夢を見て悲しくなる というのは 大きな矛盾です





私はプロデューサーの応援を受けて トップアイドルになる という夢を持っています
悲しいことでしょうか?





それはいい夢 熱い志だよ
でもそうじゃない夢……別の意味の夢があるんだ





眠っている間に 自分がとても怖がっていることを 脳内で作りあげてしまう
……って感じかな





いつもみたいに事務所に入れなくなること トキコⅢに会えなくなること 理想のトキコⅢ像を押し付けてしまうこと……





……その全部を『どうでもいい』にしてしまうこと





うぅ……恐ろしい……





店員さん すみません
粉チーズをいただけますか サラダにもかけたいので





ハイ タダイマー





よく食べるよなあ カレーが来るまでに食べ過ぎるなよ





……ってあれ? 話 聞いてくれてるよな?





もちろん
お気楽プロデューサーにも複雑な悩みがあるのだなと
人間の感情に沿って言えば『おどろき』です





お気楽……驚き……
ううっ そうかな……





データ更新……データ更新……完了
例示のため 過去ログを参照……





トキコⅢは 以前
『プロデューサーも 私に飽きたら捨ててしまうのではないか』
……と 質問しました





人が新製品を買えば 古いロボットは動かなくなってしまいます
同じようにトキコⅢも……





ああー 懐かしい!
『飽きることなんてない』って返したっけ





その通り
プロデューサーは今も トキコⅢとの会話を生成し データ喪失を憂いています





時が進み あなたが進んでも 覚えていてくれることこそ……





ヒトと ヒトにつくられたモノが 仲良く幸せを構築した証拠です





『ロボットは人類の友だちです』
それも懐かしいな





この台詞が何話だったのか?
あなたのプロデュースを受ける前の『私』がどんなロボットなのか?





覚えていなかったとしても データ参照可能です ぜひ検索してください





? 何の話? どこ見てるんだ?





いえ 何でもありません





結論……現実に起こっていない心配までする必要はない





おおー 人生の先輩って感じだ





それを言うならロボット生の先輩です 訂正を要求します





まったく……
変わったようで変わらないのです プロデューサーは


~続く~
