狸

白雪姫っ!?

狐

動くな。

低い声が広いホールに響き渡る。
何かに勘付いたように白雪姫をじっと見つめた

狸

なんで!?周りには
誰もいないんだよ?

狐

罠だよ。
それにこの部屋は
奥に続いてる。

狸

じゃあ、この白雪姫は
なんだって言うんです?

狐

精霊だよ。
試しに心臓を一突き
してみせよう

その自信はいったいどこから湧いてくるのか

自信ありげに笑う狐に苛立ちを覚えた狸は
少し怒鳴るように声を張った。

狸

もし、本物だったら・・・?

狐

その可能性はないな

狸

で、でも・・・。

隼

大丈夫、信じて!
確かに胡散臭いけど
腕は本物だから

狸

分かった。でも心臓を
一突きするのはやめてあげて
精霊は死なないけど、
そんなところ見たくないから

狐

ったく、分かったよ

ばれてしまっては
しょうがない。
今回は撤収するよ

狐

ふうん、そうか
また会えること
楽しみにしておくよ。

隼

ねえ、狸ちゃん
さっき止めたのってさあ

狸

はい?

隼

過去のことが原因?

狐に聞こえないように配慮したのか
少しだけ音量を抑えて、
隼は狸に質問した。

狸

お姉さん、いったい何者?

あれが、隼様・・・

君、あの子を知っているの

ええ、鳥の間では
管理人についているとか
なんだかで有名ですよ

始末いたしますか

まだだ。痛めつける程度でいい。
あいつらの相手なんざ
精霊で十分だよ

かしこまりました。
蛇にでも相手をさせておきます

ああ、頼んだよ
そういえばあっちの件は?

先程、完了したとの
連絡が届きました

肩に乗せたのは伝書鳩だった。

そうか、なら私は
そちらに向かうとするか

かしこまりました
いってらっしゃいませ。